「逆説の日本史」井沢元彦

(本文と写真との間には、何の関係もありませんし、何の意味もありません)

私は、自他ともに認めると思っている、歴史好きである。
歴史というと、学校の授業においては、とにかく年号や出来事を丸暗記させれる印象があり、あまり好きでないという人も多いと思うが、個人的には、歴史を、そういう暗記物として考えたことはなく、どちらかというと、物語を楽しむような感じで捉えていた。
こういうことを言うと、物語の展開としては、史実がキチンとあるわけで、それは変えようがなく、それ故に結末もすでに知ってしまっているわけで、そういう結末が分かってしまっている物語の何が面白いんだという声が聞こえてきそうだが、確かに、そういう部分はあるにはあるが、なぜ、その史実が起こったのかという解釈というか原因については、それは、人ぞれぞれなわけで、そういう面白みがあるわけである。

この「逆説の日本史」は、そういう史実が発生する原因を、怨霊や言霊への信仰などから解説しているもので、今の我々の目線や資料ともいうべき古典に書かれている内容だけに頼っていないという点で、なかなかに興味深いものがある。
たしかに、当時の人が何をどう感じ考えていたのを無視して、その行動を分析しようとするのは、あまりに無茶な話で、分かりやすい例でいえば、バブルの時代の人々の行動は、株価や土地価格の上昇といった経済面だけからの分析では不十分で、やはり、あの時代の雰囲気というか空気が分かっていなければ、きちんと理解できないものだと思う。
そういう意味で、この当時の人々の信仰や信じていた物事の側面からも歴史の出来事を分析するというこの著作の内容は、ある意味、かなりの評価に値するものだとは思う。

ただ、何でもかんでも怨霊や言霊のせいにして解説してしまう傾向があるのも事実で、はっきりいって、この出来事は、その視点から分析するのはちょっと違うんじゃないか、と思うようなところもあるにはある。